芸術の秋

doucement2010-10-30

昨日は 正倉院展花鳥画を観に奈良へ行きました。


先ずは 正倉院展


予想通りの『人・人・人・・・』
今年は遷都1300年と言うこともあり
仕方あるまい。


今年のお目当ては
やっぱり『螺鈿紫檀五弦琵琶』


表裏に ラクダの上で琵琶を弾く人や
木、鳥、花、唐花文などの文様が
螺鈿や亀の甲羅、こはくを使って施されています。


こんなに素晴しいものが
1300年も前に作られ使われていたとは
なんだか信じがたいことです。


それでも
若草山をうしろに
広大な公園で鹿に囲まれて
目を閉じていると
聖武天皇が この琵琶を奏でておられた情景が
浮かんできそうです。



他には
私個人的に惹かれたものは
伎楽面の迦楼羅


かるら とは
インド神話の巨鳥で
竜を常食していたそうな。

ちょっと恐ろしく感じられるかもしれませんが
とても愛嬌があって
私は 好きなんですよ〜


それから
『蘇芳地彩絵箱』

杉材を使った大きな箱で
仏さまへの献物品を入れるものです。

色とりどりの粉で細かい花文が描かれていて
女性なら 恐らく誰でも
乙女心をくすぐられそうです。


私は 恐れ多くも
刺繍の道具をいれたり
作品を大事にしまうのに
欲しいなあ〜なんて思いながら観ておりました。



人を掻き分けながら 宝物をみて
ちょっとグッタリしつつ
県立美術館へ『花鳥画』に・・・


こちらは あの人ごみが嘘のように
ひっそりと静寂がありました。


内容も素晴しく
中国・韓国の花鳥文様が どのように日本に影響を与えたかが
わかるようになっています。

王冕の墨梅図や
呂紀の四季花鳥図に惹かれましたが
でも
一番すきなのは
伊藤若冲糸瓜群虫図かな。


色といい 繊細さが 素晴しく美しい・・・



そして
この日 一番嬉しかったのは
観たかった『紅牙撥鏤尺(こうげばちるのしゃく)』
が この県立美術館にあったこと。

数年前の正倉院展で出品されたそうなのですが
観れなくて 残念に思ってたら・・・



象牙を紅色に染めて
鴛鴦などの文様を施した尺=ものさしです。


大鏡も設置されていて
細かく文様が見れて
嬉しい〜



正倉院展も いいけど
こちらの花鳥画展のほうが
空いていて ゆっくり観れて

しかも
正倉院展に出されたものも数点あって・・・


これから 奈良へ行かれる方にはオススメですよ。



それにしても
どうして 正倉院展に行かれてた あの大勢の人たちは
県立美術館には 足を運ばないんだろう???
謎です。。。